REPORT活動レポート
北海道下川町でフィールドワークを実施、及び下川町ジャストラ研究会と下川町ジャストラフォーラムを共同開催しました!
2024年3月1日~3日、ジャストラ!プログラム3回目のフィールドワークが北海道下川町で行われ、9地域から13名が参加しました。本プログラムにGroup1として参加する「下川町ジャストラ研究会」の案内で、環境未来都市やバイオマス産業都市にも認定されている下川町の先進的な取組みを視察。今後の下川町のトランジションを共に考えるワークに臨んだほか、2日目には同研究会と本プログラムが共催する「下川町ジャストラフォーラム」に参加し、ゲスト登壇者や町民のみなさんとも議論を深めました。
【下川町について】
北海道北部に位置する人口約3,000人の下川町では、町面積の9割を占める森林の資源を活かした産業創出を行なっています。以前は金や銅を産出する鉱業も盛んでしたが、1970年代から徐々に衰退。80年代にはついに鉱山が閉山し、産業構造の変化により人口が急減しました。危機感を持った町の有志が1998年に「下川産業クラスター研究会」を設立。そこでの議論をもとに木質バイオマスボイラーによる地域熱供給システムなどの取り組みが進んでおり、その先進事例はジャパン・レジリエンス・アワードなど多数の賞を受賞しています。2018年には下川町版SDGs「2030年における下川町のありたい姿」を策定、SDGs未来都市に認定されました。
【下川町ジャストラ研究会】
下川町のジャスト・トランジションについて考える研究会として、2023年2月に設立されました。様々なセクターから町民48名および町外オブザーバー12名が参加(2024年2月現在)。NPO法人森の生活と下川町役場総務企画課による合同事務局で運営されています。気候変動対策などによる社会構造の変化に地域の産業や住民が取り残されないよう、課題を共有し、対策をみんなで考え実行していくことを目的とし、脱炭素のみならず「2050年の下川町における持続可能な産業や快適な暮らしを実現する」という視点から幅広く議論。酪農業における太陽光発電やゴミの減量など4つのワーキンググループが活動中です。本フィールドワーク2日目の「ジャストラフォーラム」には広く町民を招き、ワーキンググループのテーマに連動した分科会を通じて議論を深めました。
■1日目(3/1)
旭川空港または旭川駅に集合し、大型バスで下川町へ。事前に下川町についての資料提供やレクチャーを受けていた参加者は、ここでさらにゲストスピーカーから多面的なインプットを受けたあと、下川町をケースとした「(気候変動とその対策推進による)未来の変化予測とジャスト・トランジションの仮説づくり」のワークに臨みました。
■2日目(3/2)
午前中は下川町内の施設見学でした。最初は、市街地から車で15分ほどの一の橋地区にある「一の橋バイオビレッジ」で、エネルギー自給をともなう自立型コミュニティの姿を視察。また、同地区で戸田建設が進めるイチゴの実証栽培のハウスも車窓から見学しました。
続いて、酪農業を営む松岡牧場を視察。ここでは290頭の牛から出る毎日30トンの糞尿から発電および熱供給するシステムを導入しています。
この後は総合福祉センターハピネスにて、未利用森林資源をつかったアロマやコスメを製造する「フプの森」田邊真理恵社長よりオンラインで事業説明を聞き、午前の予定は終了。午後は、同会場でジャストラ研究会とジャストラ!プログラム共催による「ジャストラフォーラム」が行われました。同研究会の会員もそうでない方もあわせて下川町民約80名が来場、プログラム参加者はみなさんとともに「下川町のジャストラを考える」ディスカッションに臨みました。この後、田村泰司・下川町長も参加された懇親会は、さらに交流とネットワーキングを深める場となりました。
■3日目(3/3)
最終日は、下川町の経験を踏まえて、いよいよ参加者が自身の地域や業界でどのようにジャスト・トランジションを進めていくかを考えるワークを実施。時間の関係で下川町以外は3グループに分かれての結果共有となりましたが、いずれも熱のこもったフィードバックが行われ、具体的な次の一歩につながる有意義な時間となりました。
■下川町フィールドワーク参加地域・団体
岩手県洋野町 株式会社北三陸ファクトリー
宮城県石巻市 一般社団法人フィッシャーマン・ジャパン
三重県尾鷲市 一般社団法人つちからみのれ
島根県海士町 交交株式会社
徳島県上勝町 合同会社RDND
大分県臼杵市 うすきエネルギー株式会社
兵庫県神戸市、芦屋市 Valueway株式会社
青森県八戸市 株式会社バリューシフト
熊本県阿蘇地域 NPO法人阿蘇あか牛研究会